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「……五つしかないようだが。
中に美女でも入っているのか」
いや、酒樽千個なんて我々には用意できませんからね、とアローナが思っていると、
「では、今から入れましょう」
と言いながら、アハトがアローナの腕をつかんできた。
「アハト様っ。
この間、あなたは正妃になられる方だから大事に扱わないとって言いましたよ~っ」
ひーっ、と怯えてアローナは叫ぶ。
レオに気に入られるためなら、本当にやりそうだと思ったのだ。
案の定、アハトは、しれっとした顔で言ってくる。
「正妃様なら、その身を挺して、この場をなんとかしてくださいっ。
そもそも、あなたはレオ様の褥にはべるために、貢ぎ物としてこの国に来られたんでしょうが」
じゃあ、いいでしょうっ、
となにもよくないことを言ってくる。
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