恐ろしき国、アッサンドラ

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「本当なら、私の寝所にお前がいたのかと思うと、空恐ろしい感じがするな。  よくジンは食い殺されなかったものだ」 「これからかもしれませんよ」 と言って、アハトは、ひひひひ、と笑う。  ……何故、私が猛獣扱い、とアローナは杯を手に思う。  そのとき、 「……どんだけ呑むんだ、お前は」 とレオに呆れたように見られ、アローナは、 「ああ、呑み慣れた味なので、つい」 と言って、周囲を見回した。  いつの間にか、レオの忠臣たちはテーブルに死屍累々と倒れ、アローナの背後には酒をそそぐ器を手にした女官が苦笑いして立っていた。  その女官の側にある、彼女の腰まである酒壺はとっくの昔にカラになっている。 「いや~、よその国のお酒は酔いやすいんですけど。  これは子どもの頃から慣れ親しんだ味なので」 と言って、 「子どもの頃から慣れ親しむな……」 とレオに言われる。
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