恐ろしき国、アッサンドラ

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  「どういう意味だったんですかな? 先程のお言葉は」  帰りの馬車の中でアハトがそう訊いてきた。 「聞いてらしたんですか。  いえ、この間、娼館で接待してて気づいたんですが。  レオ様は良いお酒を味がわかるくらいの量楽しむという方ですよね。  美女千人はともかく、酒樽千個、なににするんだろうと思いまして」 「……自分について来た者たちに下賜(かし)するとか?」 「千個もいりますか?  それほどの人数ではないようですし。  どの方も充分裕福なようですよ。  それに、銘柄の指定はありませんでした。  美女千人と酒樽千個。  それだけの数を一度に、というところに意味があるように思います」  何処かに贈るおつもりだったのではないですかね? とアローナは言った。
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