1217人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
「このように夫を見送る妻になりたいというのだな」
そんな絵だったのか……とアローナは改めて本を見てみたが、この国の文字が読めないので、話の内容はわからなかった。
「確かにお前は王女と見まごうばかりの立ち居振る舞いと容姿だが」
見まがってません。
リアル、そうなんですけど。
「さすがに娼婦を妃にすることはできないな」
だから、娼婦じゃないです~っと思ったとき、ジンが寝台に腰掛け、呟いた。
「妃か。
アローナ姫が無事に此処に到着するのなら、私の妃にしてもいいかと思ったのだが、何処にいるのやら」
だから、此処~っ!
そこで振り返ったジンは、声も出せずに騒ぐアローナを見て、
「なんだ……妬いているのか?」
と笑う。
違いますーっ。
最初のコメントを投稿しよう!