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「滅びゆくメディフィスか……。
だが、きっと、そんな日は来ない。
何故なら、私はお前以外の妃は娶らないからだ。
娶る必要があったら、父に回す。
父の方が女性の扱いに長けているし、未だ小金も持っている。
ようするにメディフィスの王室とつながりがあればいいのだろうから。
相手は私でなくともいいはずだ。
此処にやってくる女性も父との方が幸せに暮らせるだろうよ」
まあ、あれでレオ様、優しいようだしな、と思うアローナにジンは、
「そうっ。
そのために、私は父を殺さず、牢にも入れず、豪奢な離宮に住まわせ、好き勝手させていたのだっ」
と言い出した。
いえ、あなたが優しいからだと思いますよ、と思い、アローナは笑ってしまう。
みんなに、前王を野放しにしていいのかと言われ続けていたのだろうジンは、ようやく、父を甘やかしていることの理由ができて、すっきりしたようだった。
その勢いで、アローナに向き直り、
「心配などしなくていい、アローナ」
と言い、手を取ってくる。
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