物語の終わりはやはり……

13/16
前へ
/358ページ
次へ
「いや~、それ以前に、式でもなにかが起こりそうですよ。  花嫁が消えたりしそうです」 とアローナとジンの夜を見張るフェルナンの声が扉の外からする。 「……いいから、出て行けっ、お前たちっ」 と邪魔されたジンは怒鳴ったが、シャナは、しれっと言ってきた。 「いや~、見た目、姿を消しても、しゃべらなくとも。  我々はお二人を警護してるので。  どのみち、常に、何処からかあなたがたを見てますけどね~」  そりゃそうなんでしょうが。  とりあえず、口には出して言わないでください……とアローナは赤くなる。  それでも、ジンはシャナを叩き出すと、二人を遠ざけ、扉を閉めた。  誰も入ってこないよう、その前に家具を動かしている。  いや、かなり無駄な感じがしますけど……と思うアローナの側まで来たが、ジンはすぐにはなにもせずに、少し照れたような顔をしていた。  そんなジンを見て、アローナは微笑む。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1244人が本棚に入れています
本棚に追加