やはりお前は、私を惑わそうとする娼婦かっ

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「そうだ。  ジン様を殺してみましょう」 「え、私がですか?」 「いいえ。  私にちょっと命じてくださるだけでいいのです」 「実は私、前王を殺せと命じられて此処に来たのですが。  潜入した途端、前王はジン様に追いやられてしまい、やることがなくなってしまったのです」  刺客がやることがないというのはいいことのような気がしますが……。 「もしや、側室とかになって、潜入されたのですか?」  まだ口をぱくぱくさせて、アローナは訊いたが、 「アローナ様。  私は側室にはなれません」 と彼女は言う。 「何故ですか?」 「私、男だからです」  そう、その美女は言った。
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