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フェルナンは、
「それは……」
と言いよどんだが。
「仕方ないな。
お前には弱みを握られてしまったからな」
と言って、部屋の扉を開けた。
廊下に誰かいないか確認しているのかなと思ったが、フェルナンは廊下に向かって叫ぶ。
「おい、誰か。
新しいワインを持ってこい。
今、部屋にあるのとは違うやつ」
こちらを見て、
「まったく娼館の女は贅沢だな」
と言う。
どうやら、部屋のワインがいまいちだ、と訴えたと思われたようだ。
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