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いやいや、違うんですよ、と顔の前で手を振ると、
「なんだ。
それもダメかもしれないから、もう一本持ってこい?
可愛い顔して酒豪だな」
と言い出す。
……なにも通じていないようだ。
でもまあ、もう誰かが到着したようだし。
私がアローナだということはわかってもらえることだろう。
やれやれ。
ひどい一日だった。
あとこれで声が戻れば言うことないんだが、と思ったとき、ジンが戻ってきた。
てっきりアローナの従者を連れてくると思ったのに一人だった。
「ジン様、アローナ姫の従者の者はどうされました?」
とフェルナンが訊いてくれる。
「帰った」
帰った!?
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