王は私にたぶらかされたいのでしょうか?

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「アハト様は、お前のいとこがどうなってもいいのかと手紙で脅しただけです。  なにもしていません。  それでフェルナン様がビビッてなにかしてくれればラッキーくらいの感じみたいです。  そもそもフェルナン様が王を殺すとも思ってないんじゃないですか?  ただそれで、王と腹心の部下のフェルナン様の間に亀裂が入ればいいと思ってるだけなのでは?」 「アハト様は、フェルナンのいとこになにかする気はあるんですかね?」 「ないんじゃないですか?」 とシャナはあっさり言った。 「フェルナン様の一族ともめたくはないでしょうから。  特に今は。  自分が連れてきたあなたを王がいたくお気に入りですからね。  むしろ、今、余計なことすんなよ。  新しい王に気に入られるかもしれないのに、とか思ってそうですよね」 「……じゃあ、アハト様を殺す必要ないんじゃないですか?」 「……ないかもしれませんが。  仕事ください」 とシャナは言う。  なにかが切実そうだ。
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