王は私にたぶらかされたいのでしょうか?

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「あのー、シャナさんは、殺す以外の仕事はできないんですか?」  そうアローナは訊いてみたが、シャナは少し考えている風に白い天井を見上げたあとで、 「それが私、他の仕事はしたことがないんですよね」 と言ってきた。 「あなたがたがアハト様を殺さないのなら、今にも誰か殺しそうなアハト様に紹介状を書いてください。  アハト様、王に気に入られたら、今度は、王のために暗躍して、政敵を始末させそうですからね」  それもどうなんですかね……。 「えーと……。  ちょっと考えさせてください」 とアローナは言った。  すぐに断らなかったのは、この人、敵に回ったら怖そうだなと思っていたからだ。  今も気配もさせずに、この部屋に現れたことだし、と思いながら、ふと気になって、アローナは訊いてみた。 「あの、いつからいたんですか?」
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