王は私にたぶらかされたいのでしょうか?

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 シャナは小首を傾げたあとで、 「……ジン様があなたの頬に口づけたところは見てないです。  そのあとくらいからですかね」 と言ってくる。  見てますよね……。  気をつかってくださったのでしょうかね、と思うアローナにシャナが言ってきた。 「まあ、お早めにご決断を。  革新的な考えを持つ、年若き王を疎ましいと思っているのは、アハト様だけではありませんから。  すでに他の者が雇った刺客が放たれているかもしれません。  そういえば、さっき、天井裏で顔馴染みの刺客と出会いましたしね」 「そ、それはいつですか?」 「だから、さっき、ジン様がアローナ様の頬にキス……  したあとですかね?」  ……前ですかね?  っていうか、その情報を先に言ってっ、と思いながら、アローナは部屋を飛び出した。
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