さすがは娼館の女だな

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 何故と問われると困るな、と思いながらも、ジンは言った。 「……メ、メディフィスとアッサンドラの友好のために、この結婚は進めるべきだ」 「人質取って友好はおかしいと思います。  少なくとも、条件が変わったことをアッサンドラの王にお伝えし、判断いただく必要はあると思いますが。  メディフィスの前王は御存命なのでしょう?  そちらに嫁ぐよう言われるかもしれませんし」  信頼する侍女のその言葉に、ひっ、とアローナが怯える。 「なんだと?  私より、あのエロ大魔王のジジイの方がアローナにふさわしいと言うのかっ」 「それ、あなたのお父様ですよね~。  エロ大魔王……」 とフェルナンが後ろで呟いていた。
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