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出来のいい侍女は厄介だ
「何故、姫様を連れて帰っては駄目なのですか? 王よ」
とジンは侍女に詰め寄られていた。
「それは……」
と言い淀んでいると、侍女はジンを一睨みし、
「陛下。
もしやもう、姫様をキズモノになさったとか?」
と非難がましく言ってくる。
「ま、まだなにもしてはいない」
そううろたえる自分の前で、え、まだ? とアローナが怯える。
「なにもしてないのならいいではないですか」
と言い放った侍女は、
「では、姫様を連れて帰ります」
と言い出した。
「じゃあ、今からアローナをキズモノにするから、ちょっと待てっ」
と今にも連れ去られそうなアローナの腕をつかんだままジンは言う。
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