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いやいやいや、勘弁してくださいっ、
とアローナがまた謎のジェスチャーをしながら言ってきたので、ジンが、
「いや、お前しゃべれるから」
と教えてやると、声が出ていることに気づいたアローナは苦笑いしていた。
表情とジェスチャーで伝えるのが癖になっていたようだ。
「ともかく、一度連れて帰ります。
王よ、本気で姫様の輿入れを望むのなら、我がアッサンドラの王に婚姻を願い出るところからやり直してください。
ささ、姫様」
と侍女はアローナの手を引き、城の玄関扉に向かおうとする。
「待てっ。
遠いだろうが、アッサンドラッ」
出発して到着するまでに、花婿であったはずの王が追い落とされ、いなくなるほどにっ。
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