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偉くジン様を買っているようだけど。
その割に攻撃的だったような……と思っていると、その疑わしげな視線を感じ取ったらしいエンは、
「王が本当に姫様を大事にしてくださるかどうか、見極めるためですわ。
そのためなら、わたくし、斬り殺されても構いません」
とキッパリ言ってくる。
「ありがとう、エン」
とアローナはちょっと感動し、忠実なる部下の手を両手で握った。
「でも、ジン様は殺さないと思うわ。
貴女が少々失礼なことを言ったところで」
「そうですわね。
分別のある立派な王だとこの城に入ったとき、伺いました。
だからこそ、言ったのです」
と言うエンに、
じゃあ、最初から斬り殺されるつもりなどなかったのでは、と思ったが、
「そのくらいの気構えで、わたくしは姫様のおつきの侍女をやっているということです」
とエンはまとめる。
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