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「いえいえ。
そもそも、お兄様は常に放浪の旅に出ていらっしゃるので、私はあまりお会いしたことがないのです」
「だが、たまには城に立ち寄るし、だいたいの事情も知っておるぞ。
で、たまたま、この近くを通っていたら、うちの鷹が飛んでたから、石をつけた縄を投げて、ひっかけて捕らえたのだ」
それで勝手に書簡を読んだらしい。
「可哀想じゃないですか……」
とアローナは言ったが、兄の肩にのっている鷹は、また、よい餌でももらったのか、機嫌はいいようだった。
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