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「いやあ、ふたり並ぶと美しい絵のようではないか」
よかったよかった、と言いながら、バルトは側にいたエンの肩をさりげなく抱いて、殴られている。
二人は幼なじみなのだ。
「ちょうど国に帰るところだ。
父には私から言っておこう。
王よ、アローナをよろしく頼む」
また遊びに来るぞ、と言って、兄はさっさと帰っていった。
歓迎の宴の準備をしようとしていた城の者たちに、ええっ!? という顔をされながら。
風のようにふらりと立ち寄っただけの人に、簡単にひょいとやられてしまいましたよ……と思うアローナに、
「よし。
これでお前は、今夜から俺の花嫁だな」
とジンが言う。
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