限りなく黒に近いグレーな告白

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「実は、僕の母方の先祖の一人が、その兵士の孫だったらしいのね。 その祖父から聞いた孫の話に寄ると、当事、(たいら)軍は、ほとんど戦意喪失していたんだって。 しかし、ただ降参するのはマズイし、(かり)にも武士として情け無い。 そこで、そういうカタチになるように、武田信義に頼もう――ってことになったらしい」 「へー‥‥そんなウラ話があったんですか‥‥」 「やはり彼らも武士だから、とりあえず何か〝理由〞が欲しかったんだろうね‥‥。 富士沼に、沢山の鳥が集まっていることも、武田に教えた‥‥。 それで、そんな珍事の話として、残ってしまった‥‥という訳」 「おーおー、えらい告白、聞いたなー! カイト」  しかし山川は、 「だけど、この話は、そのレポートに入れない方がいいでしょう。証拠も何も無いから‥‥」 すると階下から、ミツカが、 「お茶が入りましたよー」
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