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 特に片付ける荷物もなく、さっさと帰ろうとしていると、教室の一角が、複数の生徒たちで騒がしくしていた。  女子と男子が半々といったところか、これからどこか遊びにでも行くのだろう。所謂、"陽キャ"の集まりだ。自分とは住む世界の違う生き物だと思っている。こちらから関わることはなかったし、向こうから関わってくることもなかった。  ただ一瞬だけ、その輪の中にいる女生徒を視界の中に収めてから、目線を逸らした。  「いぐっち、帰ろうぜ」  そんな俺のところに、2人組の男子がやってくる。  「おぅ」  「たまにはゲーセン行かね」  里中と吉田。1年の時から、なんやかんやで3人でずっとつるんでいる。趣味も性格も割と似ていて、揃って帰宅部だったから、一緒に遊ぶ時間もおお
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