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「どっかでひっかけた子じゃないの? ほら、戸森アプリもやってたし」
確かに、大阪時代にマッチングアプリを使って女の子と会っていたというのは、再会した最初の飲み会で自分から話していた。さらに青子は続ける。
「マッチングアプリで意気投合して、連絡先交換して、DMでやり取りしてたのかもしれないし」
「この人に連絡取ってみることできないかな? 一番最近、戸森と連絡を取ったのは、もしかするとこの人かもしれないし」
私はスマホの画面を指さして言う。検索してNozomiのアカウントを開くと伊織がため息をつく。
「フォローし合ってないと、DMは送れなさそうだな。てか、俺はアカウント持ってないし」
「私はやだ。めんどくさいし、戸森なんて、知らない」
青子は顔を外側に背ける。
「じゃあ、私、送ってみようか? 何か知ってるかもしれないし。友達申請受けてくれるかわからないけど、女子が送ったほうが警戒しないだろうし」
私がスマホのアプリをタップしようとすると、
「ねえ」
と、聞いたことのないような青子の低い声が隣から聞こえる。
「死んでる」
「え?」伊織と私の声は重なった。
「その人、死んでる」
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