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「──愛華さんの、返事は?」
「…」
そう促した楓馬から、きらりと輝きを放つダイヤモンドリングが入れられた小箱を持つ腕を床に下ろした能美へと視線を移し、涙目で見下ろした愛華だったが。
ドレスをつまみ持ち、跪いている能美の前に傅くと、
「ホントに、あたしで…いいの?」
と、固い表情をしている能美に涙声で問いかけた。
「っ、愛華さんが…愛華さんじゃなきゃ、嫌ですッ」
「…っ」
「俺と…結婚してくれますか?」
「──はい」
「…っ、しゃあッ!」
観客の声にもめげず。
再び愛華へプロポーズを果たした能美を見守っていた人々が沸き、辺り一帯に祝福ムードが広がって行く。
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