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「…また告られたんだって?」
いつものように村上家へ上がり込んでいた誠は、夕飯の支度を一緒にしようと、楓馬と肩を並べた台所でジャガイモの皮をピーラーで削ぎ落としながら唇を尖らせた。
「どこ行ってもモテんのな。 ムカつく」
(…やきもち)
妬かれているんだろうな、と、分かるけれど。
そのものずばりを言ったら、確実に誠の臍が曲がってしまうと想像できた楓馬は口元に笑みを湛えると、
「ちゃんと断ったけど?」
と言って、自分の手元にあるジャガイモに八つ当たりをしている誠の耳元に顔を近づけた。
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