When in rome do as the romans do.

7/38
前へ
/159ページ
次へ
  「付き合いたての、かわいい恋人がいるので…お付き合いも結婚もできません、ってね」 「っ」  楓馬の吐息が耳に触れるこそばゆさに体を震わせた誠の頬に、楓馬は軽く唇を押しつけ口づけた。 「マコっていう恋人がいるのに、ほかの誰かに心惹かれたりなんかしないよ?」 「…分かってる、けど」  誠実で実直、そして、生真面目な性格をしている楓馬の言葉に、嘘や偽りを疑ったことなんて、今まで一度もないけれど。  でも、と言いたくなるくらい、とにかく楓馬はよくモテる男だった。  ──元々楓馬は、ヘテロで。  幼馴染みとしてその間近で、楓馬の生い立ちをずっと見てきたから知っているのだけれど。  幼少期からずっと、女の子にモテ続けてきた楓馬は、 『付き合って』  と告白してくる女の子を、切らしたことがなかった。 .
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加