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とてつもなく追い詰められていた。
営業職と言えば聞こえはよいかもしれないが、その実態は怪しい高額商品を訪問販売することだ。
売りつけると言った方が正しいか。
当たり前だが、いきなり来た知らない男から、本当に必要かどうかも疑わしい何十万円もする商品を買ってくれる人など、そうそういない。
当然と言えば当然だが、この仕事にはノルマがある。
会社は利益をもたらすために俺を雇っているのだから。
数は少ないが、毎月売り上げを上げている同僚もいるが、一言で言えば絶対にお友達にはなりたくないタイプの人間だ。
北川はそうではない。
そんなぶっ飛んだ人間ではなく平凡な男だ。
なんとか半年はこの仕事を続けてきたが、二か月ノルマを達成していない。
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