第一章 我が名は織田信長だ

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と、その時、矢が私の頬を掠めた。 痛い。 その侍は私を軽々と持ち上げ、馬に跨らせた。 「しっかり捕まっていろ」 馬は風をきって走り出した。 城の門をくぐり、城内に入ると「お館様ご無事で」そう言って、多数の侍が周りを囲った。 「こやつの傷の手当てをしろ」 私は馬から下ろされて、城の中へと連れて行かれた。 かすり傷だったため、後は残らないようだ。 バンドエイド貼っておけばいいのに、ここにはないの? 私はお風呂に連れて行かれた。 「湯殿に浸かって身体を温めてください」 着替えは着物が用意されていた。 「お館様がお待ちです、こちらへ」 一歩踏み出すと、着物の裾につまづいて倒れそうになった。 「きゃっ」 そんな私を支えてくれた男性がいた。 「大丈夫か」 めっちゃイケメン。 「ありがとうございます」 私はこれ邪魔と思い、羽織らされた着物を脱いで、裾を持ち上げた。
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