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「プッ、あはははは! おまっ、マジかよウケる」
静かな社会科準備室内に、アキラの笑い声が響き渡る。
「笑うなっつーの」
「だってさぁ、覚えて無いとか最悪じゃん」
「……だよなぁ」
透は溜息をつくと、ズルズルと床にしゃがみ込んだ。
「でもなぁ……普通、無理やりヤられたんならお前にそんなもの付けるか?」
「……確かに」
「案外、掘られたのお前の方だったりしてな」
冗談交じりに言われた言葉が、一瞬理解出来なかった。
「……は?」
「考えてもみろよ。記憶無くすぐらい泥酔してんのに勃つか?」
「……え……えっ?」
サァっと血の気が引いた。そう言われてみればなんだか腰がだる重い感じもする。
思わず自分の尻を手で押さえた。
「うはっ、ウケる……そっかぁ、透もついに……ププッこりゃナオミ姐さんに頼んで赤飯かぁ?」
「いやいやいやっ、何言ってんだ! そ、そんなわけ……」
慌てふためく透の脳に、『……起きないと、このまま襲っちゃうよ?』と耳元で囁かれた声がフラッシュバックして蘇った。
「……っ、嘘……だろ?」
「まぁ、どっちみち真実を知ってるのは和樹だけなんだからさ、本人に直接聞けばいいんじゃね?」
「聞けるかっ、んな事っ!」
他人事だと思って。透は恨めしげにアキラを見上げた。
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