ホモ

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「次」 警官がこちらに視線を向ける。その時、一歩踏み出した勇者がいた。 「ホモ03、いっきまーーす!!」 「すげぇな…」 「ホモ01が頑張ったんだ!俺もそうするしかないだろう!?」 そう言うと、牛田はマイナス一歩ずつ歩き出した。そう、後ろに進み始めたのだ。 「どうしたんだ?」 金田が聞くと、牛田は元気いっぱいに答えた。 「行くぜ!!」 「だから、何で後ろに…」 その時、牛田が走り出した。 勿論、今度はプラス一歩ずつだ。 流石、元バド部顧問。 異様な速さで警官に突進していくと思ったら、そのまま膝をつき、スライディングで進んだ。 そして、キィィイイイイイという床と膝が擦れる音を立てながら、警官の前でピタリと止まった。 「お願いします!」 警官は思い切り顔を顰めた。 「キモッ」とでも言いたそうな表情だ。まぁ、それも仕方ない。 全裸の男がスライディング土下座で迫ってきたら、誰だって殴りたくなるだろう。 冷水を浴びながら、「フハハハハ!良いぞ良いぞ!」と叫ぶ牛田を見て、亀田と金田はため息をつくしかなかった。 牛田はさながら狂人だった。 次に犠牲になったのは亀田だった。 断末魔を上げながらデッキブラシで擦られる様は、江戸時代の拷問のようだ。
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