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出会い1
「つっかれたー、マジで…」
平々凡々な大学卒業を間近に控え、バイト三昧な俺
高校時代からバイトでお世話になってた大手コンビニ
直営の店舗だったから、抜き打ちで客のフリして来店した本社の神崎さんにいたく気に入られ接客した翌週に本社へ呼び出された
抜き打ちなんて知るはずもないからいつも通りの接客だった
ただ、神崎さんがあまりにも…俗に言うイケメン、そんな言葉が失礼にあたる程…
180センチはゆうに超える、細いのにガッチリ
ピンストライプのスーツに白いシャツ…タマムシ色のネクタイが照明に揺れて
驚きに思わず喉がなった
まさかその男が神崎さんだとは気づかないまま、店長に首を傾げられながら本社に出向くように言われた
「スーツなんて着るもんじゃねぇな」
大学終わりにバイトに入る為か、夜のコンビニは死んだようなサラリーマンで溢れかえる
こんな時間まで働くなんて、どうかしてるよなんて思いながら接客してた
それでも生まれつき猫かぶり笑顔には自信があった
可愛い可愛いと言われて育ち、それはいつしか美しいに形容詞が変わった
俺は、道を歩けば誰もが振り返るほどの美人顔らしい
疲れたサラリーマンを癒すべく、笑顔を振りまいてるところに神崎さんが来たというわけだ
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