出会い2

1/2
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ

出会い2

コンコン… 【どうぞ】 「失礼します」 【…】 俺は用意されている椅子の横に立ち頭を下げる 「隣町のカシカワ店でお世話になってる小泉智史です」 緊張で頭をあげられない 【ふ…頭をあげて?どうぞおかけください】 「はい、失礼します」 目の前に座る彼も、書類に目を通しているのか目は合わない 【小泉くん、仕事は好き?】 「え?は…まぁ…」 【就職は?どうするつもり?】 「あ、えっと…大学で勧められた会社を幾つか受ける予定です」 【ふぅん…勧められたって?君の希望は?】 こんな事言っていいのかな 「実は…特になりたいものとか、やりたい事とか…わからなくて」 【じゃ、どこでもいいんだ?】 「まぁ、自分が楽しいと感じられるところであればいいと思っています」 【そう?じゃあさ…】 そう言って彼はやっと顔を上げ、目が合った 「あっ!」 【ふふ…覚えてくれてたんだ?】 彼は嬉しそうに笑った 「な…なんで…」 【あ、あの時ね?抜き打ち】 「えぇ…そう…だったんですね…」 【あの時間帯にも関わらず、あんなスマイルで見送られたら明日も頑張ろっかなって思うよね】
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!