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一途
「はい、今はデパートの一画ですが最終的には店舗を出すのが目標です。正嗣さんとの大切な思い出だから」
『そうか…忙しくなるな。そういえばどこに住んでるんだ?』
「実は…帰国してバタバタで、まだホテル住まいなんです」
『そう…なのか?』
「ええ、カッコつけて恋人作ってもいいなんて言っときながら内心ビクビクして帰国の連絡も出来なくて」
『掻っ攫ってくれるってのはウソだったのか?』
「っ…貴方が誰かと幸せに笑ってるなら、諦めようと…今日、その指輪を見て終わったと思いました。サヨナラを言うために呼ばれたんだと…あわよくば愛人にならしてもらえるかもなんて期待して…」
『智史は愛人でもいいのか?』
「それでもたまに会って愛してるって言ってくれるなら…」
『ありえないな、恋人作るなんて、まして愛人なんて考えてもいなかった』
「久城が…正嗣さんは無茶苦茶モテるって脅すから…」
『アイツ…余計なことを。智史に初めて会った日から、いない間も誰にも触ってないし触らせてもいない。モテるのは否定しないが俺は一途だぞ?』
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