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「婚約破棄だ。お前はシャロットを虐めた。
これから後悔していきろ。」
「婚約破棄はかまいません。ですがシャロットさんを虐めたとは?身に覚えがございません。」
「証拠もあるんだ。観念して罰を受け入れろ。」
「罰ですか、では貴族裁判をお待ちしております。場にそぐわないため失礼いたします。」
誰もがうっとりするお辞儀をし去って行った。
「ハイド様。怖かったです。」
「シャロット大丈夫だ。もう怖いものはないぞ。」
2人の世界に周囲は唖然とした。
ここは高等科卒業パーティーの最中、王族、周辺諸国代表の挨拶がすみ貴族社会へ踏み入れる前の最後と学生だけの時間になったとたんに、皇太子オリーブ レン ハイドが婚約者の伯爵令嬢セフィーロ リン ライムに婚約破棄をしたのだ。
在学の頃から問題視されていたがライム嬢のはからいで静観されていただけだったのだ。
残された者は2人と側近4人を静かに見ていた。先程までの祝福ムードはきえさった。
「やったあああああああ。」
「お嬢様、どうされました?」
「婚約破棄よ。早速戻ってお父様に、」
「おめでとうございます。やっと解放されましたね。」
ライムは侍女ミントとセフィーロ家へ急いで帰った。
「「「お帰りなさいませ、ライムお嬢様。」」」
「ただいま帰りました。ありがとう。セバスお父様はいらっしゃる?」
「書斎に。どうかされましたか?」
「ふふふ、セバス破棄されたわ。」
「「「本当ですか。おめでとうございます。」」」
「皆ありがとう。」
セバスはじめ皆ハイド殿下の横暴ぶりに呆れはてていたのだ。
婚約破棄を申し込んでも王家からは受理されず、10年以上ながかったのだ。
父はスムーズに破棄手続きをとり、貴族裁判になるまでもなく、影の報告にて冤罪ははれた。
ハイド殿下は廃嫡され、シャロット男爵令嬢も婚約破棄、冤罪の件で厳しいと評判の最北端ノース修道院へ送られた。
「そんな、ライムは嗜虐趣味があって、、、シャロットは虐められたんじゃなかったのか?」
「愚かな。ライム嬢は誰に対しても態度を変えず穏やかな令嬢だ。何を見ていればそうなる。」
「父上、、、シャロットはシャロットはどうなるのですか?」
「わかっているだろ。男爵令嬢が不敬を重ね挙げ句冤罪で王命による婚約破棄をしたんだ。」
「それは、、、。」
「安心しろ、ライム嬢の希望で処刑は逃れた。ノース修道院へ行く。生涯だ。」
「っつ。かしこまりました。」
「わかっているな。お前は廃嫡。ラパン領主に話は通してある。ラパン領にてライム嬢への賠償金を返せ。すぐにたて。」
「かしこまりました。父上ありがとうございます。」
「、、。」
そのごラパン領にて働いていたがいつのまにかハイドは姿をけした。
ノース修道院にいたシャロットも姿をけした。
2人がどうなったのか知る者はいないという。
ライムは元幼馴染といっしょになり穏やかに暮らした。
「ほんと婚約破棄様様ね。」
完
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