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「私達、船の上からあなた達の結婚式を見ていたわ!
ねぇ!ずっとお話したいなと思っていたの
あの銀河を引きずってるみたいなドレスと
ウエディングベール!とっても素敵だったわ
いったい何メートルあったの? 」
「5メートルよ!
頭がもげるかと思ったわ」
杏奈がおどけて言った
ホノカはケラケラ笑った
「あなた面白いわ!」
二人はすぐに意気投合した
ホノカは杏奈より一歳年下だが
海洋学の大学院生で祖母のキクエの別荘に
住んでいるらしい
話題は杏奈と大和の結婚式でもちきりだった
この船でもライブ中継されていたなんて
杏奈は思いもよらなかった
だからみんな私を知っている感じなのね・・・
「ゲストについてざっと解説しましょうか?
それとも自分で相手する?
でも身に迫る危機には注意しておいたほうがいいでしょうね」
杏奈は笑いを漏らした
「たとえば・・・・
大和さんを狙っていた女性とか?」
キクエはニヤリと笑った
「さすがは彼の元秘書ね!察しが早いわ
特に怖い人が一人いるわ 」
「名前を教えて 」
「アグネスよ!」
キクエはおどけた調子で言った
「モデルで親は韓国一の財閥!
うなるほどの金持ちで海運王に猛アタックを
かけていたわ、彼が人のものになったと知ったら
喧嘩をふっかけてくるわよ 」
「そうなの?」
「情報が伝わるのは早いもの」
キクエが肩をすくめた
杏奈は思わず秘書課のみんなを思い出して
笑いそうになった
こればっかりはどこにいても同じみたいだ
社交界も例外ではない
ホノカが右から杏奈に耳打ちした
「噂をすれば…よ!
右から近づいてきてるわ」
キクエが左から小声で杏奈に教えた
「モノトーンのドレスよ」
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