chapter 5 豪華客船とワルツ

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「私達、船の上からあなた達の結婚式を見ていたわ! ねぇ!ずっとお話したいなと思っていたの あの銀河を引きずってるみたいなドレスと ウエディングベール!とっても素敵だったわ いったい何メートルあったの? 」 「5メートルよ! 頭がもげるかと思ったわ」 杏奈がおどけて言った ホノカはケラケラ笑った 「あなた面白いわ!」 二人はすぐに意気投合した ホノカは杏奈より一歳年下だが 海洋学の大学院生で祖母のキクエの別荘に 住んでいるらしい 話題は杏奈と大和の結婚式でもちきりだった この船でもライブ中継されていたなんて 杏奈は思いもよらなかった だからみんな私を知っている感じなのね・・・ 「ゲストについてざっと解説しましょうか? それとも自分で相手する? でも身に迫る危機には注意しておいたほうがいいでしょうね」 杏奈は笑いを漏らした 「たとえば・・・・ 大和さんを狙っていた女性とか?」 キクエはニヤリと笑った 「さすがは彼の元秘書ね!察しが早いわ 特に怖い人が一人いるわ 」 「名前を教えて 」 「アグネスよ!」 キクエはおどけた調子で言った 「モデルで親は韓国一の財閥! うなるほどの金持ちで海運王に猛アタックを かけていたわ、彼が人のものになったと知ったら 喧嘩をふっかけてくるわよ 」 「そうなの?」 「情報が伝わるのは早いもの」 キクエが肩をすくめた 杏奈は思わず秘書課のみんなを思い出して  笑いそうになった こればっかりはどこにいても同じみたいだ 社交界も例外ではない ホノカが右から杏奈に耳打ちした 「噂をすれば…よ! 右から近づいてきてるわ」 キクエが左から小声で杏奈に教えた 「モノトーンのドレスよ」
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