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私たちは愛し合って結婚したわけではないのに
しっかりしなさい杏奈と気を引き締める
彼に言い寄る女なんて山ほどいたはず
でもこんなアグネスに太刀打ちできるのだろうか
すべてが負けているような気がする
アグネスが手をヒラヒラして杏奈に言った
「ねぇ!あちらで一緒にお話しなさらない?
彼のこと色々教えてあげるわ
袴田のみなさんもあちらのテーブルに行きましょ!」
一瞬アグネスの瞳にハッキリと
敵意が燃え上がった
「行ったら嫌味でハチの巣にされるわよ・・
どうする? 」
ホノカが杏奈の肩を持って囁く
その時杏奈がクスリと笑ったのを
アグネスは見逃さなかった
「何がおかしいのよ!」
杏奈は静かな口調でクスクス笑って言った
「だって・・・・・
話す事なんかないのに・・・
私達が行くと思っていらっしゃるから・・・」
「私と大和に昔何があったか気にならないの?」
「今が幸せだから過去は振り返らないの 」
ずいっとアグネスが杏奈に歩み寄った
困ったわね・・・・
言い争いにならないといいけど・・・
杏奈は心の中で思った
「可愛い顔してうまく大和を釣ったわね!
どんな餌を使ったの?」
キクエが言った
「ここは公の場よ!
野暮なことはおよしなさい! 」
今やアグネスは腕を前に組み
杏奈を見下ろしていた
「いい加減にしなさいよ!
こんなことして何になるの?」
ホノカも顔をしかめて言う
アグネスの険しい視線が
杏奈を舐めまわす様に品定めする
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