chapter 5 豪華客船とワルツ

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すると杏奈の心痛を察したかのように 大和が杏奈の肩を優しく抱き そっと自分の方へ引き寄せた 黙ってどっしりと構えていてくれている 大和の存在に心が温かくなる ためらいがちにでも杏奈は彼の腕に体を預けた これは・・・ 演技なのだろうか・・・ それとも多少は・・・ 心がこもった抱擁なの? それでも今はどっちでもよかった 今夜この人が自分の隣にいてくれてよかった 数々のスピーチを聞きいているうちに 富を持つ実業界の大物たちは慈善目的で誰もが 気前良く寄付をすることを杏奈は学んだ 困窮する人々に時間や金銭を使う事で 世間にお返しをするのだ
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