chapter 5 豪華客船とワルツ

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「どうしましょう・・・ありがとうございます・・・ 実は・・・とても素敵だなって・・・ 思っていたの・・・ なのにまさかあなたが購入して下さるなんて・・・ その・・・大切に―― 」 「男に何かプレゼントをもらった時はこうするんだよ」 ボソボソと大和は杏奈に耳打ちした 報道陣とドレスをデザインした 無名デザイナーが杏奈達に挨拶に来た 大和はさきほどの囁きの答えをニヤニヤしながら待っている 「あの・・・ありがとう・・・ 」 杏奈は彼の首にそっと腕を回し 彼の頬にキスをした その瞬間を報道陣に激写され デザイナーは二人に拍手した 杏奈は真っ赤になった 大和は彼女の肩を抱き微笑んだ 口々に周りは幸せそうな二人に祝福の言葉を送った 「お二人とも本当にお幸せそうでよかったわ」 「あのドレスあなたに絶対お似合いになるわよ」 キクエとホノカがとても嬉しそうに拍手していた 「キクエさんとうちの爺さんは仲がよかったんだよ」    「まぁ!そうだったの?」 後にこの無名でちゃっかりしているデザイナーは 大和が落札したドレスを 「海運王が花嫁に送ったドレス」 と名付け大量生産してひと財産儲けたと 聞いたのはこのずいぶん後のことだった
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