7626人が本棚に入れています
本棚に追加
「お顔と手を洗って
私は替えの新しいシャツを持ってきますから」
「どうせまた汚れると思うが・・・・」
「洗って」
杏奈はとても良い匂いのする自家製石鹸を大和に渡した
その香りの誘惑に勝てず
大人しく手と顔を洗っている大和を背に
杏奈はタオルと替えのシャツを用意した
「軽い軽食がありますよ
私はまだ手を付けていないから食べてください 」
「いや・・・・すまないが
仕事がたまってる―― 」
「座って」
大和は目をぱちぱちしたが
杏奈がソファーの開いた所を指さした所をじっと見た
すると以外にも彼は杏奈に素直にしたがった
ソファーの端に腰をおろし長い脚を折りたたんで
杏奈をじっと見る
杏奈は嬉しくなって
ソファーテーブルを大和の前に持ってきて
カリカリのベーコンと目玉焼きの乗った
パンケーキを置いた
「無理だよ
本当に時間がない――」
「ハイ!あーん」
杏奈はあきらめずパンケーキとベーコンと卵を
ナイフで小さく切って三段重ねに刺した
フォークを大和に差し出した
すると大和は今度も素直に大口を開け
むしゃむしゃと咀嚼した
そして杏奈はティーソーサーから
たっぷりとレモネードを注ぎ
そこに大ぶりのレモンスライスをグラスに
浮かべ大和に渡した
最初のコメントを投稿しよう!