chapter 1 血の繋がり

17/27

7606人が本棚に入れています
本棚に追加
/383ページ
「杏奈先輩は自分の感情をおさえる術に長けているし ボスの扱いには達人級ですよ でも大抵の女性は彼を見たら佐奈ちゃんみたいな 反応をしますよ でも佐奈ちゃん!社長ってめっちゃ怖いんだよ~」 くるみが面白可笑しく佐奈を脅す 佐奈はケラケラ笑っている 佐奈の顔に新たな興味の色が浮かんだ    「じゃぁお姉ちゃんは 安部社長とのラブロマンスなんて一度も 夢見たことないの? ほら誰もいないオフィスで社長と秘書が・・・とかさぁ」 「変な小説サイトの見過ぎよ!」 くるみも日本酒を飲みながらヒラヒラと手を振る 「だいたいオフィスに 誰もいなくなることなんてないしね!」 夢見がちな女子高生は負けじと尚も言う 「でも佐奈なら社長にアタックするな! そしたら一躍社長夫人よ」 キャハハハとくるみは笑った 酔いが回ってテンションが上がっている 「そうそう!新人の頃の秘書は必ず 社長を見てそう夢見るんだよね~ 」 杏奈は曖昧に頷いた 「そしてその夢は1か月もしないうちに 見事に壊れるのよ 彼がどれほど仕事に厳しいか大抵の 玉の輿を願っているだけの秘書は彼の傍では 使い物にならないわよ 」 夢見がちな少女は尚も唇を尖らせて言い返した 「佐奈!絶対お姉ちゃんの会社に 就職するもん! そして安部社長をメロメロにするんだから!」 「あの社長の秘書で働くことがどれだけ大変か! もしそうならあなたのお姉さんが とっくにアタックしてるわよ!  言ってやってくださいよ!杏奈主任!」 お酒に酔ったくるみが佐奈の無邪気な言葉が つぼにはまり大笑いをしている 杏奈は コホン・・・と一つ咳をした 「そうね・・・安部社長に関心を持つには 長く一緒に働きすぎたんじゃないかと思うわ なぜなら彼の事を分かってくれば分かるほど 彼は恋愛対象には当てはまらないという事よ  いい機会だから二人には私の彼への評価を 話してさしあげるわ 」 二人を見て口元に笑みを浮かべた
/383ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7606人が本棚に入れています
本棚に追加