chapter7 愛が生まれた日

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・・・・・ 「ねぇ!お富さん 今夜はどうしてこんなにすっぽん料理ばかりなの?」 食卓についた杏奈はテーブルに広げられた それは見事なすっぽん料理を眺めて目を見張った 「それが健三さんがわざわざ隣の島まで行って 漁師さんに分けてもらったんですって! 本当に見事でしょう? 旦那様の分も沢山ありますよ! 今夜は遅いみたいですので 奥様はお先に召し上がってくださいませ」 「私スッポン料理って初めて!」 テーブルには前菜から始まって スッポンの刺身、スッポンの唐揚げ、 小さな火鍋に炊かれたスッポン鍋と 所せましに並べられている しかし一番端にある小さなグラスに入った スッポンの生き血のワイン割りには どうしても杏奈は口が付けられなかった 「うえ~・・・・! 健さんには悪いけど 私・・・どうしてもこれは苦手・・・」 杏奈は鼻をつまんで言った 「そうですね~ 奥様が飲めないのなら代わりに 旦那様に飲んでもらいますから ご無理はなさらないでくださいね 」 「でもお鍋はとても美味しそうだわ」 杏奈は笑って言った
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