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「ねぇ!お富さん
今夜はどうしてこんなにすっぽん料理ばかりなの?」
食卓についた杏奈はテーブルに広げられた
それは見事なすっぽん料理を眺めて目を見張った
「それが健三さんがわざわざ隣の島まで行って
漁師さんに分けてもらったんですって!
本当に見事でしょう?
旦那様の分も沢山ありますよ!
今夜は遅いみたいですので
奥様はお先に召し上がってくださいませ」
「私スッポン料理って初めて!」
テーブルには前菜から始まって
スッポンの刺身、スッポンの唐揚げ、
小さな火鍋に炊かれたスッポン鍋と
所せましに並べられている
しかし一番端にある小さなグラスに入った
スッポンの生き血のワイン割りには
どうしても杏奈は口が付けられなかった
「うえ~・・・・!
健さんには悪いけど
私・・・どうしてもこれは苦手・・・」
杏奈は鼻をつまんで言った
「そうですね~
奥様が飲めないのなら代わりに
旦那様に飲んでもらいますから
ご無理はなさらないでくださいね 」
「でもお鍋はとても美味しそうだわ」
杏奈は笑って言った
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