chapter7 愛が生まれた日

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・・・・・ 結婚してから忙しいのは大和だけではなく 今は大和の妻の杏奈の元へもキクエの言う通り 社交界で杏奈と交流を深めたい訪問客が 押し寄せて来ていた その人種はさまざまで 先代の祖父と交流を深めてきた商人や 地元の婦人会といった面々だ いったん訪問を受ければその後 こちらからも訪問するのが礼儀であり 大和は複雑奇怪な社交界で 妻の杏奈がそつなく約束をさばいて行く様に感心した いつどのように訪問すべきか その中には付き合いをしなくても良い相手 後のち大和のためにも招待を 受けなければいけない相手と しっかり把握しているのだ 今大和は執務室でソファーに座り あきれるほど毎週届く招待状を丁寧に読んで 最も望ましい会に顔を出すために 招待状を選別している杏奈を興味津々に見ていた   彼女はその招待状を 大和と杏奈別々に記されたもの 二人の名前が並記されたもの 杏奈の名前だけが記載されたものと 次々と目視して目の前のレター箱の中に選別していく 最近ではこうやって彼が杏奈の仕事について 興味深々の態度を示す事がよくある 杏奈は最近特に彼にこれほど 関心を持たれているのが内心嬉しかった
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