chapter7 愛が生まれた日

8/38
前へ
/383ページ
次へ
若い頃から大和の暮らしは仕事を中心に回っており 家には睡眠と食事、風呂、など 日々の日課を出来るだけ効率的に 済ませられたらどこでもよかった なので本国ではホテル暮らしが 大和にとって最適だった それが今はなぜが早く家に帰りたくて せっせと1日の業務を片付けている こんなことは初めてで 彼の興味を引くことは今や杏奈のいる 自宅でばかり起きているようにさえ思われる 大和はふとずっと悩んでいた事に対して 杏奈にアドバイスをもらいたくなった 「君は・・・ フラワーアレンジメントの講師だったって言ってたね」 「ハイ  お年寄りから小学生まで教えていました」 「もし君のクラスに仲が悪くてしょっちゅう 喧嘩ばかりしている子供がいたらどうする?」 「私ならその二人を引き離しますね」 杏奈は手紙から目線を離さず即答した 「引き離す?」 大和が目をパチパチして杏奈を見つめる 「ええ 決して隣同士には座らせないわ そうでないとお互いが気になって 講習どころじゃなくなるし 私の話も耳に入らないもの」 大和が狐につままれたような表情で 杏奈を長い間じーっと見つめた 「・・・?・・・・あなた? 私・・・何かお気にさわるようなこと言った?」 「・・・・君は天才だ 」 そう大和がつぶやき ポケットからスマートフォンを取り出し どこへやら電話をかけてきびきびした口調で 何か指示を与えているようだった
/383ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7623人が本棚に入れています
本棚に追加