chapter7 愛が生まれた日

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これが原因で偽装婚を計画したのに・・・・ 大和は大股で浜辺の現場のすぐ上にある 研究センターへ向かいズンズンと砂浜を踏みしめる 先日杏奈がキクエの弟子の若い男連中と 楽しそうにしているのを見てから 大和は胸がムカつきっぱなしだった ポニーテールに赤いトップスの杏奈は とても可愛いらしく あの青年達と似合いのカップルの様に見えた 自分は杏奈よりもずいぶん年上だ もしかしたら杏奈とは釣り合っていないのかもしれない そう考えたら大和は胸を押しつぶされるような 痛みを感じるようになっていた そこで少し服装をカジュアルなものに最近は 変えてみた 若い女性を妻にするという事は 自分の老いも気にしてまうことが付いてくるようだ あの時の自分はなぜか嫉妬にかられ キクエには年の功ではやる思いと 欲望を読み取られているに違いない 現に昨日の仕事の予定を変更したのもそうだ こんな事は今まではなかったことだ たかが妻のランチに同席するために これまで何よりも誰よりも仕事を優先してきた この自分がだ やむにやまれぬ事情で縁を結んだ 法律上の妻だが最近はそれだけではない 愛おしく、守りたい気持ちが自然に出てくる
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