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「キャァ!!あなたっっ!」
杏奈は二人の社員と庭師の秀樹に担がれて
玄関を入って来た大和を見て思わず叫んだ
隣で家政婦長のお富も恐ろしさに声をあげた
夫はかなり汚れていて
殴られたように見え
上半身を毛布で覆われていた
「大変!何があったのですか?
暴漢にでも襲われたのですか?」
「・・・・実は・・・
梯子に襲われた・・ 」
大和がかすれた声で言った
彼は意識が朦朧としているようだ
社員と秀樹が杏奈に言う
「どこに運べばいいですか?」
「こちらへ!」
大和は顔を歪めながら
普段杏奈が寝ている夫婦の寝室へ運ばれた
「はやく!ここに寝かせてください」
大和は普段杏奈が一人で寝ている
天蓋付きベッドに二人がかりでゆっくりと横になった
心臓がドキドキする・・・・
どうしよう・・・彼に何かあったら・・・
大和の状態を見て仰天したのは少し落ち着いてきたが
杏奈は震える手で
洗面器にお湯を汲みタオルを浸した
お富が大声で使用人を呼ぶとすぐに数人集まった
皆主が負傷したとの知らせに肝をつぶした顔になった
そして明らかに動揺している杏奈をよそに
安部屋敷で働く使用人達は
こうした緊急事態にはある程度慣れているようで
即座にみんな行動を開始した
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