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庭師の秀樹が島のドクターを迎えにすぐに
軽トラックを走らせた
久美子たちはすぐに清潔なリネンの
シーツやバスタオル類の準備にかかり
厨房に知らせに行った
都会ではすぐに救急車を呼べば済むのだが
ここではそうはいかない
全部自分達でやるのだ
温かいおしぼりと着替えを用意して
杏奈はベッドに横たわってピクリとも
動かない彼を見てぎょっとした
あちこちが擦り傷で血だらけだ
「・・・折れては無いと思うが・・・
肩を脱臼したみたいだ・・とんでもなく痛む」
杏奈は心配で心配で
軽口なんか叩いている余裕もない
「あ・・・あなたのお仕事は
安全な事務室から社員さんに指示を
出すことではなかったの?」
杏奈はおしぼりで彼の顔や髪を拭き
シャツのボタンを上から一つづつ外しにかかった
大和はわずかに開けた目で杏奈を見つめた
「大胆だな・・・・
今は出来るかわかんないよ・・・
でも何事もチャレンジ精神が大事だ
君が上に乗ってくれたら・・・ 」
「ご冗談を聞いてる暇はありませんよ!
それにセクハラです!
久美子さん!シャツを脱がすの手伝ってください」
「切った方が早いんじゃありません?」
大胆な大和のからかいに
少しも笑らえないとギロリと大和を睨み
久美子が差し出した断ち切りばさみで
シャツをジャキジャキ切った
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