chapter 1 血の繋がり

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「幻滅させちゃって悪いけど佐奈 そういうものって隠しても見えてくるものなのよ こんなエピソードを一つ披露して見せましょうか? ある日社長が紫のグッチの格子柄の ネクタイをつけて来た時があったの それはそれはとっても似合っていたわ それにネクタイと同じ色の翡翠のカフスボタンと・・・・ で!調査した所 そのカフスボタンはどこのブランドだったと思う?」 「それでそれで?」 「なんか聞くのが怖いわ」 「そのカフスボタンは韓国のブランドで唯一の LGBTQのアイデンティティを推進する ファッションレーベルの物だったわ そのブランドの理念はより多くの人々に LGBTQコミュニティを紹介するだけでなく 彼らを教育することを目的としていたのよ!」 「キャー――――――! 」 「キャー――――――! 」 ビシッと杏奈が名探偵コナンばりに指さした 再び三人のさけび声が上がった ボソッ・・・ 「なるほど・・・そうだったのか・・・」 あのカフスボタンは以前に韓国の客船取引きに 出向いた時に相手側の会社の引き出物として プレゼントされたものだった 当時大和はただの記念品だと思っていたが そういえば韓国の社長はあの時大和に 必要以上にベタベタしていたのを思い出した なんとそんな意味があったのか・・・・ これであのカフスボタンを身に着けることは 二度とないだろう そう大和は思った 「それに第一経理部の真田専務! いつも金曜の午後には二人でジムに行って 汗だくになって帰ってくるのよ 間違いないわ! 安部社長のお相手は彼よ! 」 「キャー!キャーッ! 真田専務とぉー?? 違う意味で汗をながしているのーーー?? 」 「待って!待って!真田専務って誰?誰?」 「写真あるわよ! 去年の慰安旅行の!!」     「やっだーーーー イケメーーーンッツ  お似合いだわ―――――」 「キャー―――――!リアルBLよーーーー! 」 クルミが必死でスマホの画面をスライドして 真田専務の写真を佐奈に見せている もう二人は大騒ぎだ ボソッ・・・ 「おいおい・・・やめてくれ・・・」 大和は眉をしかめた 金曜日の午後と言えばたしかに第一経理部の 真田とスポーツジムに行って汗をかいている 理由はただ単に自分がその日の午後しか スケジュールが空いてなくて 彼が大和の好きな筋トレ 「ケーブルクロスオーバー」が出来る スポーツジムを紹介してくれたからだ 大和の好みのマシンはそこにしか置いてないので 一緒に通っているのだが なんとそんな仲にされていたなんて大和は驚いた あのアンドロイドの様な完璧な秘書は これほどまでに人を観察し自分をゲイ扱いをして いたなんて思いもよらなかった
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