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いつものアンドロイドのように
まったくといっていいほどの無表情で
決して出しゃばらず、空気のように存在を消す
なのでさきほど思いがけず盗み聞ぎしてしまった
彼女の声は生き生きとしていて思わず
「アンドロイド姫野杏奈」本人なのか
どうかしばらくは信じられなかった
多分ある意味では彼女が分析して見せた
女嫌いな部分は当たっているかもしれない
何年間もの間自分は女性を遠ざけて仕事だけを
してきたからだ
数十年前・・・・
今では若気の至りだが
大和は心から愛した女性がいた
その女性と結婚しようとした時
大和は当然祖父と衝突した
大和は軽く首を振って笑った
なんてことだろうかあの女性との記憶は
忘却の彼方に消え失せたと持っていたのに
秘書達の噂話を聞いたせいだろうか
いつにもなく自分はセンチメンタルになっているみたいだ
思い出しても仕方がない
思い出を大和は心の隅に再び追いやった
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