chapter 2 運命の向こう側

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「私がそう簡単にあなたを許して マー君のことも忘れて家族が集まった時には 普通に世間話のひとつでもすると思っているの?」 「・・・・少し・・・・ 時間がかかるかもしれないって事は 分かってるわ・・・  」 「おあいにく様 時間なんてかからないわ いくら歳月が経った所でそんな風にはなれっこないわ カンナ! あなたは私を傷つけただけじゃなくて 家族関係もぶち壊したのよ! 自分のしたことがわかっているの? そこまでして彼を私から奪いたかったの? そんなに私を恨んでいるの? 私が何をしたの? 」 あなたより一年先に生まれただけなのに 同じ母親からうまれたばかりに・・・・ 血の繋がりとはなんとも憎いものだろう 他人なら会わなくて済むものを・・・ 悔しくて涙が出て来た 「私達愛し合っているわ」 「残念ね 彼が愛しているのは自分だけよ 私を裏切ったのだもの 貴方だって時間の問題よ そんなやましい形で始った関係が本気で長続きすると思っているの?」 フンッとカンナが鼻を鳴らして言った 「私と姉さんは違うのよ」 「どういう意味よ?」 怒りに拍車がかかる 「かわいそうに・・・ 彼は一緒にいて自分らしくいられる相手を求めているわ 姉さんは完璧すぎるのよ いつだって正論で相手をやりこめる・・ それって誰でも疲れるのよ  男性は少しぐらい隙があって癒してくれる女性に 愛情を感じるみたいなの私みたいにね」 「私は自分が完璧なんて思ったことはないわ」 「でも態度が物語っているわ」 「自分がしたことを棚に上げて 私を悪者にするつもり?」 「姉さんがどれほど正論で相手を追い詰めるか 彼の気持ちをわかってあげられるのは 私しかいないわ」 カンナの情け容赦ない攻撃がはじまった 「彼・・・・ このまま姉さんと結婚したら全ての事を管理されるかもしれないって恐れていたのよ 姉さんがどれほど口うるさいか そんな風に相手の事をなんでもかんでも自分の 思い通りにする事ばかりに感心があるから マー君が私を好きになのるのも無理ないわ 私は彼に何も要求しないもの 」 「だからといってあなたが盗んでもいい事には ならないわ 私達は婚約していたのよ! 私達に関わっている近しい人や 私の会社の立場はどうなるの? 結婚式の招待状も印刷しているのよ?」 「そんなの知った事じゃないわ ほら!また自分の事ばかり考えている」 「自分の周りの人の事を考えているからこそ 言うんでしょう? 私はみんなになんて言ったらいいの? (実の妹に婚約者を寝盗られて解消しました) とでも? 」 ハァーっとカンナはため息をついた 「とにかく・・・・ 今は姉さんには何も言うことないわ」 「私はもう一生無いわ!あなたにも彼にもね!」 杏奈は震える声で最後のセリフを吐き捨てて カンナの返事を待たずに電話を切った
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