chapter 2 運命の向こう側

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・・・・・・ テラスから続く遊歩道を歩くと 堤防のすぐ先に海食崖を見渡せる灯台が見えた 堤防の下には美しく乾いた砂浜が どこまでも広がっていた 今夜は風もなく寄せる波が静かに泡立っていた ほぼまん丸な月の光を照り返して海面は神々しい 崖に沿って階段が取り付けられていて 美しい砂浜へ降りられるようになっていた 心地よい海風を浴びながら隣に ゴージャスすぎる人を従えてゆっくりと歩く 堤防の不安定な地面に突き出た小石に杏奈が躓くと 彼が杏奈の腕を支えた 海運王はぎゅっと力強い腕で杏奈の 腰を抱きしめた 杏奈はあわてて弾けるように彼から一歩離れた 「すいません・・・」 「大丈夫?」 杏奈は彼からくるりと背を向けて 再び歩き出した 心臓は全力疾走したように早鐘を打っている   火照って赤くなっている頬は酔っているせいだと どうか彼に思われますように
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