chapter 2 運命の向こう側

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彼は一つしかない街灯によりかかり 明かりを浴びている 彼にはスポットライトがよく似合った 漆黒の髪も、顔に落ちる影も 彫りの深い面立ちを際立たせるばかりだ 「社長?どうされましたか?」 杏奈が彼に聞く ザザ・・・・ァ‥・ン    ザザ・・・・ァ‥・ン 優しい波音が二人のBGMになる 「姫野杏奈さん」      ザザ・・・・ァ‥・ン 彼が自分の名前を呼んだ 波風が杏奈のスカ―トを翻す 「ハイ・・・・?」 杏奈は返事した 彼の前髪が波風で旗のようにたなびいている なんてことだ 彼は髪が乱れていても素敵だ 彼は何が言いたいのだろう しばらくして 彼は杏奈をしっかり見つめてこう言った 「僕と結婚してくれませんか?」
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