chapter 2 運命の向こう側

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・・・・・・・・ 「姫野杏奈さん・・・ 僕と結婚してくれませんか?」 杏奈は純粋に目の前にいる身長は180センチを 優に超える男性が発した言葉を 脳が翻訳するのに戸惑っていた 聞き間違いでなければたしかに彼は杏奈に言った 自分と結婚して欲しいと ピリピリと自分の肌がひりつくのを感じる 「君を動揺させてしまったね・・・」 「いいえ・・・ そんなことありません 社長は冗談をおっしゃっているだけですから・・・」 杏奈は自分が感じているほど顔が赤くなって いないことを願った これではうぶな娘みたいに見られる 「これが冗談に聞こえるかい?」 大和は静かにつぶやいた 再び二人が見つめ合う 「もっと正確に言うと僕のある目的のために 事実上の僕の正式な妻として演技をして生活してほしんだ  期間は半年間・・・・ 半年間の間は僕と同じ家に暮らしてください 純粋にビジネスとして割り切り お互い自由を尊重し 半年経てば離婚して君は自由だ ただし契約期間中は恋人を作られては困る マスコミなどが常に安部家のスキャンダルを狙っているからね」 そう言うと大和は分厚い茶封筒を杏奈に渡した 「中に今回のビジネスの契約書が入っている よく目を通してほしい」 それから杏奈は封筒からファイルで閉じられた 契約書を取り出しまるで通訳でもするように その契約書をブツブツ言いながら要約してみせた
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